【今年の補助金を利用したリフォーム工事の受付終了について】
「こどもエコ住まい支援事業」は、予算満了のため2023年9月28日に交付申請の受付を終了いたしました。
「先進的窓リノベ事業」の方はまだ継続中ですが、予約申請の期限が2023年11月30日までとなり、交付申請の期限は遅くとも2023年12月31日までとなっております。
現時点からでは「先進的窓リノベ事業」の補助金申請はスケジュールが間に合わない可能性が高いため、弊社では今年の補助金申請を利用した工事の受付は終了させていただきます。
来年も、今年同様の国の補助金が実施されると発表がございましたので、詳細が分かり次第、あらためてご案内させていただきます。
窓や玄関のリフォームに活用できた、国(国土交通省)の補助金制度「こどもみらい住宅支援事業」は、予算上限に達したため昨年11月末に終了しました。
2023年には、新たな国の補助金として、
・高断熱窓への改修工事が対象の、「住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業(略称:先進的窓リノベ事業)」(経済産業省・環境省所管)
・昨年実施された「こどもみらい住宅支援事業」と同じような枠組みである「こどもエコすまい支援事業」(国土交通省所管)
以上の制度が実施されます。
その制度の内容と、特にご提案したい窓リフォーム工事について解説します。
「先進的窓リノベ事業」は、今までの住宅(既存住宅)の断熱性能を早期に高めることを目的とする、窓の断熱リフォームに特化した補助金制度です。
住宅の窓リフォームのみを対象とした、予算1,000億円という今までになかった大型の補助事業で、住宅1戸あたりの補助額上限は200万円となっています。
補助対象となる窓リフォーム製品は、断熱性能の指標である※熱貫流率が一定の基準を満たすもので、断熱のグレード(A・S・SS)と工事の種類(ガラス交換・内窓設置・外窓交換)と窓の大きさ(大・中・小)によって補助額が決められています。
※熱貫流率とは
材料の厚さを加味した熱の伝わりやすさを表した値で、壁や屋根、床などについて室内と室外の温度に1℃の差があるとき、1時間に壁1㎡を通過する熱量を示します。単位は「W/㎡・K」です。
熱貫流率の数値が小さいほど、断熱性能が高いということになります。
2.1:事例の工事費比較から分かる費用的におトクな工事
「先進的窓リノベ事業」の補助対象となる製品は、熱貫流率が1.9以下の断熱性能を有するものです。
窓リフォーム工事には、「ガラス交換」「内窓設置」「外窓交換」という種類がありますが、この中で最もおススメする工事は「内窓設置」です。
「内窓設置」を推奨するその理由については、それぞれの実際の工事費と「先進的窓リノベ事業」の補助金額を算出した以下のシミュレーション事例をご参照下さい。
【窓リフォーム工事 シミュレーション事例】
・幅180センチ×高さ180センチの引違い窓・・・・・・2カ所
・幅180センチ×高さ120センチの引違い窓・・・・・・1カ所
を断熱リフォームする場合
①ガラス交換(今ある窓サッシのガラス部分だけを、断熱性の高いガラス(ペアガラス・真空ガラス)に交換する)
今あるアルミ製のサッシについて、高断熱(Low-E)真空ガラス「スペーシア」(日本板硝子製)を使用した場合では、「先進的窓リノベ事業」の対象製品となりません。
「こどもエコ住まい支援事業」の開口部の断熱改修(ガラス交換)での申請対応となります。
②内窓設置(今ある窓サッシの室内側に、断熱性の高い樹脂製のサッシを設置する)
対象製品:「インプラス」引違い窓 高断熱(Low-E)ペアガラス仕様(リクシル製)を使用した場合
製品定価合計:¥428,000
「先進的窓リノベ事業」補助金合計 ¥185,000(定価合計に対する補助率:約43%)
③外窓交換(今ある窓サッシを撤去して、新しく断熱性の高いサッシを取り付けする)
対象製品:「リプラス」引違い窓 高断熱汎用枠 トリプルガラス仕様(リクシル製)を使用した場合
製品定価合計:¥1,307,300
「先進的窓リノベ事業」補助金合計 ¥280,000(定価合計に対する補助率:約21%)
工事の種類によって、それぞれ使用される製品仕様の特長がありますが、「先進的窓リノベ事業」を利用して補助金を受ける場合、実質的な費用負担額を最も少なくできる工事が「内窓設置」ということになります。
窓リフォーム工事にともなう廃材の撤去・処分費がかからず、比較的短時間で完了できることからも、「内窓設置」はお手軽な工事といえます。
2.2:「内窓設置」工事について各補助金制度利用の比較
「先進的窓リノベ事業」では、「内窓設置」工事の対象予定製品として※高断熱(Low-E)ペアガラス仕様以上の断熱性能が必要となります。
一般ペアガラス仕様の「内窓設置」では、「先進的窓リノベ事業」の対象工事とはならず、「こどもエコ住まい支援事業」の対象予定製品となります。
しかし、上記のシミュレーション事例で比較した場合、「先進的窓リノベ事業」を利用して高断熱(Low-E)仕様の内窓設置を行なった方が、「こどもエコすまい支援事業」を利用しての一般ペアガラス仕様の内窓設置工事より、補助額を差し引いた後の実質的負担額が少なくなります。
これは、「先進的窓リノベ事業」の方が「こどもエコ住まい支援事業」より設定されている補助額が高いことから起こりうるケースです。
より高い断熱性能の製品を使った窓リフォームを、より少ない費用負担で実現できるという絶好の機会ですので、その理由からも「先進的窓リノベ事業」を活用した「内窓設置」工事を一番にご提案いたします。
※高断熱(Low-E)ペアガラスとは
2枚の板ガラスの間に中空層を挟んで合わせたのが一般ペアガラスですが、ペアガラスの内側に熱の伝わりを抑える特殊な金属膜(Low-E膜)をコーティングしてさらに断熱性能を向上させたペアガラスのこと。
シングル(1枚)ガラスの約3倍、一般ペアガラスの約1.5倍の断熱性能を発揮します。
室外側ガラスの内側にLow-E膜をコーティングした(画像)遮熱タイプ、室内側ガラスの内側にLow-E膜をコーティングした断熱タイプがあります。
今まで説明してきたように、「内窓設置」「外窓交換」という種類の窓リフォーム実施にあたっては、設定された補助額の高い「先進的窓リノベ事業」の方を優先的に利用すべきです。
一方で、昨年実施の「こどもみらい住宅支援事業」同じような枠組みである「こどもエコすまい支援事業」では、「ガラス交換」「内窓設置」「外窓交換」という窓リフォーム工事だけでなく、玄関・勝手口のリフォーム工事や、手すりの設置や段差解消といったバリアフリー工事なども補助金の対象となっています。
「こどもエコすまい支援事業」は「先進的窓リノベ事業」との併用が可能ですので、条件に合わせ組み合わせて申請すると有効的です。
「先進的窓リノベ事業」と「こどもエコすまい支援事業」は、1回の申請での補助額の合計が5万円以上になることが条件です。しかし「こどもエコすまい支援事業」の方は、「先進的窓リノベ事業」と併せて申請する場合は補助額の合計が2万円以上で申請可能となります。
たとえば先述したシミュレーション事例では、「先進的窓リノベ事業」を利用した窓リフォーム工事に加えて、「こどもエコすまい支援事業」の対象工事「玄関ドア交換」(省エネ基準(大):補助額34,000円)を併せて申請するような組み合わせを検討することができるのです。
4.1:「補助事業者」として登録した工事業者に依頼
「先進的窓リノベ事業」「こどもみらい住宅支援事業」の補助金申請は、あらかじめ「補助事業者」として登録した工事業者に依頼しなければなりません。工事の発注者(一般のお客様)が直接申請を行なうことはできません。
補助金は工事業者の方に交付されますので、その金額を一般のお客様に還元するようになります。
4.2:工事請負契約を結び、申請要件を満たしたリフォーム工事を着工
(先進的窓リノベ事業)
令和4年(2022年)11月8日~令和5年(2023年)12月31日までに補助事業者(工事業者)と工事請負契約を結び、補助事業者が登録申請した日以降に合計補助額が5万円以上となる対象工事を着工します。
(こどもエコすまい支援事業)
補助事業者(工事業者)と工事請負契約を結び(契約期間は問わない)、令和4年(2022年)11月8日以降に合計補助額が5万円以上(「先進的窓リノベ事業」と併用する場合は合計補助額が2万円以上)となる対象工事を着工します。
4.3:関係書類を添付して補助金を申請
工事請負契約書のコピー、リフォーム対象製品の性能を証明する書類、工事前後の写真等、必要な関係書類をそろえて、補助事業者(工事業者)が補助金を申請します。
なお「先進的窓リノベ事業」「こどもエコすまい支援事業」とも、交付申請の受付開始は2023年3月下旬からと予定されています。
4.4:補助金交付決定後、工事業者から補助金分を還元
工事業者に交付された補助金を、工事の発注者(一般のお客様)への還元する方法としては、
①工事代金支払い時に、補助金交付を見越してその一部として充当する
②工事代金を一旦全額清算後に、交付された補助金分を現金にて支払う
以上のいずれかになります。
リフォームの場合、補助金の交付申請は工事完了後になるので、申請してから実際に工事業者に補助金が交付されるまである程度時間がかかります(約3~4カ月程度)。弊社では補助金交付が確定した時点である、②の方法でお客様に還元しております。
今回の補助金制度を利用した窓リフォームでは、費用対効果の最も高い「先進的窓リノベ事業」の対象工事である「内窓設置」を行なうケースが多くなっています。
補助金の交付申請の受付が始まって以来、全国的に同様の「内窓設置」工事が急増したため、メーカー側の生産体制が追い付かず、内窓の納期が2~3カ月と遅延しています。
内窓商品を発注してから実際に工事ができるまで、かなり時間がかかるようになっているため、工事後に補助金の交付申請を行なうとなると、その頃に補助金の進捗状況がどれくらいになっているのか気になる(申請が遅れて補助金が受けられなくなるのではないか)というお客様の声をよくいただいております。
補助事業者(工事業者)である弊社といたしましても、補助金利用が前提の窓リフォーム工事で、交付申請時に予算が終了してしまっている事態は避けたいので、補助金の交付申請の予約という方法を活用しています。
これは、補助金対象であるリフォーム工事に着手した際に、着工時の写真等必要書類を添えて予約申請を行なうと、予約の有効期限内(予約申請してから3カ月以内、もしくは2023年12月31日のいずれか早い日付)は予算が確保されるというものです。
交付申請の予約の有効期限が3カ月以内という条件があるので、発注予定である内窓商品の納期から工事日がいつ頃になるか逆算して、期限切れにならないように予約の申請時期を判断するようにしています。
2023年に実施される、窓リフォームに関するお得な補助金制度「先進的窓リノベ事業」「こどもエコすまい支援事業」は、上手に組み合わせると相当の現金給付を受けることができます。
最近の物価高の影響で建築資材は高騰しており、住宅リフォーム工事に着手しづらくなっているのが現状です。
また資源エネルギー価格の上昇が続き、家計の光熱費(たとえばエアコンの冷暖房費など)を節約していくことは今まで以上に切実な問題となっています。
断熱性能の高い窓や玄関へのリフォームに活用できる今回の補助金は、住宅リフォームの費用を抑え、かつこれからの省エネにも役立ちますので、こうしたお客様の今抱えているお悩みを解決してくれる手段としておススメです。
弊社では、補助金対象工事のプラン作りから、補助金の交付申請手続まで同じ担当者が責任を持って対応しておりますので、補助金を利用した窓や玄関などのリフォームをご検討の方はぜひご相談下さい。
補助金制度の詳しい内容についてはこちら→ ●「先進的窓リノベ事業」公式ホームページ
・「住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業」(NEDO)2007年・・・1件
※NEDO=独立行政法人(現在は国立研究開発法人)新エネルギー・産業技術総合開発機構
・住宅エコポイント(国土交通省)2010~2011年・・・31件
・復興支援・住宅エコポイント(国土交通省)2012年・・・16件
・省エネ住宅ポイント(国土交通省)2015年・・・17件
・住宅ストック循環支援事業(国土交通省)2017年・・・1件
・次世代住宅ポイント(国土交通省)2019年・・・3件
・グリーン住宅ポイント(国土交通省)2021年・・・2件
・こどもみらい住宅支援事業(国土交通省)2022年・・・6件
※上記の補助金は現在は全て終了しております。
・岡山県太陽熱&断熱DE省エネ住宅促進事業(岡山県)2014~2016年・・・10件 ※既に終了
・岡山市住宅用スマートエネルギー導入促進補助事業(岡山市)2015~2017年・・・5件
(岡山市住宅用スマートエネルギー導入促進補助事業は昨年も実施されましたが、窓断熱単独では申請できないため利用しておりません)
・介護保険 住宅改修費の支給(岡山市)・・・5件
岡山県岡山市・倉敷市・赤磐市(南部)とその近郊
(個人・法人様とも所在地が営業エリア内であるお客様に限ります)